カフェ・アンビシャス
始まりのストーリー
学校に行かなかった時間の中で出会った「珈琲」が、
やがて人とのつながりや、自分を表現する力になっていきました。
カフェアンビシャスは、そんなひとりの子どもの歩みから始まっています
カフェアンビシャスは、ひとりの中学生の「好き」から始まりました。
中学3年生の頃、学校に行かずに過ごしていたその子は、YouTubeで珈琲の焙煎やハンドドリップの動画を見たことをきっかけに、珈琲の世界に興味を持つようになりました。
豆の種類や焙煎の仕方を調べ、いろいろな珈琲を飲み比べながら、「自分でも焙煎してみたい」と試行錯誤するようになりました。
中学の卒業制作として、自分で焙煎器をつくることにも挑戦しました。
ネットで作り方を調べ、ステンレス板などの材料を購入し、加工して組み立てました。カセットコンロの上に載せ、ハンドルを回しながら生豆を焙煎する仕組みです。
これが、カフェアンビシャスの「一号機」。
既製品を買うのではなく、「どうすればできるだろう」と調べ、材料を集め、実際につくって試してみる。珈琲への興味は、ものづくりや探究へと広がっていきました。

中学校の卒業式には出席すせず、教室でそれまで関わりのあった先生方と卒業の場を開きました。
そこで本人は、「なぜ自分は学校に行かなかったのか」を自分なりに振り返り、スライドにまとめて先生方の前で話しました。
そして最後に、自分で焙煎した豆を使い、一杯ずつハンドドリップした珈琲を先生方にふるまいました。

学校に行かなかった時間の中で出会った「好き」が、自分で調べることにつながり、ものをつくることにつながり、自分の経験を伝えることにつながり、そして、人ともう一度つながるきっかけになりました。
「好き」から始まったものが、学びや社会とのつながりへ広がっていく。
この経験が、カフェアンビシャスの原点です。
好きから始まる学び
カフェアンビシャスでは、子どもたちの「好き」「やってみたい」を、学びの入口として大切にしています。
カフェの運営、そこにはたくさんの学びがあります。
お店に必要な器具や珈琲豆を並べる。お客さまに説明する。
代金を受け取る。お釣りを考える。
豆を量る。お湯の温度を調整する。豆を挽く。ドリップする。
お客さまに珈琲を提供する。
コーヒー豆を袋に詰める。銘柄を書く。ポップをつくる。
売上を数える。
こうした一つひとつの活動の中には、文字を書くこと、数を扱うこと、計算すること、人に伝えること、相手の様子を見ること、役割を持って動くことなど、さまざまな要素が含まれています。
机の上の勉強では、なかなか意味を感じにくかったことでも、実際の場面では「必要だからやってみよう」と思えることがあります。
自分が書いた文字が、そのまま商品になる。
自分が数えたお金が、その日の売上になる。
自分が淹れた珈琲を、目の前の人が「おいしい」と言ってくれる。
そうした経験の積み重ねが、「わかった」「できた」だけではない、自信や実感につながっていきます。
カフェアンビシャスは、珈琲を提供する場所であると同時に、子どもたちが社会の中で学ぶ、小さな実践の場でもあります。
読み書き・計算の苦手さとリアルな学び
子どもたちの中には、文字の形を覚えることや、書くこと、数の感覚をつかむこと、計算することに強い難しさのある子もいます。
学習障害(LD)では、知的な理解に大きな問題がなくても、読み・書き・計算など、特定の学習に困難が表れることがあります。
たとえば、何度練習してもカタカナがなかなか定着しなかったり、数字を見ても量としてイメージしにくかったりすることがあります。
それは、「やる気がない」「練習が足りない」ということとは違います。
「やらない」のではなく、入りにくい、定着しにくいことがある。
その違いを知ることは、子どもを理解するうえでとても大切です。
カフェアンビシャスでは、苦手さだけを見るのではなく、実際の商品づくりや販売の中で、文字や数を「使うもの」として経験できることを大切にしています。
カフェアンビシャス 利用案内
営業日
毎月 第1・第3金曜日
営業時間
12:00〜13:00
場所
大津市明日都市民活動センター前
利用料
マイカップ持参 350円
カップ利用 400円

ご自宅でも、カフェアンビシャスの珈琲を
カフェアンビシャスで焙煎した珈琲豆は、定期便でもお届けしています。
子どもたちが豆を量り、袋に詰め、銘柄を書いて商品にしています。
珈琲を楽しんでいただくことが、子どもたちの活動や学びの機会を支えることにもつながります。